なぜ禁止手法があるのか
FTMO の口座はデモ環境(擬似資金)で動いており、トレーダーの成績に応じて FTMO が報酬を支払う仕組みです。そのため、実際の市場では再現できない「デモ環境の穴を突く手法」が利益を出してしまうと、ビジネスとして成立しません。
公式規約の基準はシンプルで、「実市場でも合理的に再現可能な取引か」です。自分の資金を運用するときと同じリスク管理で行う通常の裁量取引・自動売買であれば、手法自体が制限されることは基本的にありません。
この記事では、公式の Forbidden Trading Practices(禁止取引行為)を分類して解説します。評価ルール全般は FTMO のルール解説 を参照してください。
禁止手法の一覧
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| プラットフォームの欠陥利用 | 価格表示のエラー、更新遅延、遅いデータフィードを突く取引(レイテンシー裁定・ティックスキャルピング型の裁定) |
| 超高速・大量注文 | HFT、超高速ツール、AI や大量データ入力で不当な優位を得る行為 |
| 過剰なサーバー負荷 | 自動売買による1日2,000件超のサーバーリクエスト |
| 口座間の両建て | 複数口座(他社口座・グループでの連携を含む)で反対ポジションを同時に持つ行為 |
| 第三者による口座管理 | 口座アクセスの共有、運用代行、他人の代わりの受験 |
| ギャップトレーディングの悪用 | 重要ニュース・決算の直前や、市場クローズ前2時間以内を狙った隙間取引 |
| 人工的な利益分散 | ベストデイルール回避を目的に、リスクを伴わない形で利益だけを複数日に分散させる行為 |
レイテンシー裁定・ティックスキャルピング
価格配信の遅延やエラーを利用して、「答えを見てから注文する」タイプの裁定取引です。デモ環境では機能しても実市場では再現できない典型例で、明確に禁止されています。
HFT(高頻度取引)
数秒以内に大量の注文を繰り返す超高速取引や、それを可能にするツール・AI の利用は禁止です。EA(自動売買)そのものは許可されていますが、自動売買が1日2,000件を超えるサーバーリクエストを発生させると禁止行為に該当し得ます。高頻度で注文を出す EA を使う場合は、この上限を意識してください。
口座間の両建て(グループトレード含む)
同一口座内での両建ては許可されています。禁止されるのは、複数の口座(FTMO の別口座、他社プロップの口座、他のトレーダーとの連携を含む)で反対方向のポジションを同時に持ち、どちらかの口座で必ず評価を通過させるような行為です。
口座管理代行・アカウント共有
自分の口座を第三者に触らせること、代わりに試験を受けてもらうこと、逆に他人の口座を運用してあげることは、すべて禁止です。「合格代行サービス」の類いは規約違反であり、発覚すれば利益没収・契約解除の対象になります。
コピートレードの扱い
整理すると次のようになります。
- 自分の戦略を自分の口座間でコピーする:一般に許可
- 他人の取引・外部シグナルをそのままコピーする:禁止対象
- 複数人で同じ戦略を連携して運用する(グループトレード):禁止対象
市販 EA やシグナルをそのまま使うと、他の利用者と取引が重複し、連携取引とみなされるリスクがあります。境界線が気になる場合は、取引前に FTMO サポートへ確認するのが安全です。
ニュース取引の制限(資金口座の Normal のみ)
禁止手法とは別枠で、ニュース取引には制限があります。適用条件を正確に押さえておきましょう。
| 条件 | 内容 |
|---|---|
| 対象口座 | 資金口座(FTMO Account)の Normal 口座のみ |
| 評価試験中 | 適用なし(1-Step・2-Step とも) |
| Swing 口座 | 適用なし |
| 制限内容 | 指定指標の発表2分前〜発表2分後に、新規・決済・待機注文(ストップロス、テイクプロフィット含む)の執行禁止 |
対象となる指標は、米 FOMC 政策金利・雇用統計(NFP)・CPI、欧州・英国・カナダ・豪州・NZ・スイスの政策金利、原油在庫統計などの高重要度イベントです。対象リストは変わることがあるため、最新は公式サイトで要確認です。
指標をまたいだ取引を資金口座でも続けたい場合は、Swing 口座を選ぶのが正攻法です。詳細は FTMO の口座タイプ解説 を参照してください。
違反した場合の措置
公式規約には、違反時の措置として以下が明記されています。
- 該当する取引の履歴からの削除
- 取引プラットフォームへのアクセス制限
- 評価プロセスからの失格
- 利益分配(報酬)の没収
- すべての契約の解除
出金審査の段階で取引内容が精査されるため、「バレずに出金まで逃げ切る」ことは想定しないほうがよいでしょう。
迷ったときの判断基準
- その手法は、自己資金の実口座でも同じように機能するか
- 合理的なリスク管理(1トレードあたりのリスク設定)を伴っているか
- 判断に迷うならサポートに事前確認する(記録も残る)
この3点を守っていれば、通常のスキャルピング・デイトレード・スイング・EA 運用が問題になることはまずありません。
結論
FTMO の禁止手法は「実市場で再現できない手法」「第三者を使う手法」の2系統に集約されます。普通に自分の手で、自分の戦略でトレードしている限り、抵触する場面はほとんどありません。
一方で、市販 EA・シグナル・運用代行など「他人の力を借りる」選択肢はすべて高リスクです。せっかく合格しても利益没収では意味がないため、グレーな手段には最初から近づかないことをおすすめします。
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