まず結論
7月前半の業界の動きは3つに整理できます。プラットフォーム依存のリスクが現実化した「NinjaTraderとAlpha Futuresの提携解消」、6月の記事でお伝えした流れが確定した「cTraderの米国プロップ向け制限」、そして新しい商品カテゴリーとして急速に広がる「予測市場」です。いずれも、業者選びの前提が変わりうる話です。
NinjaTrader、Alpha Futuresとの提携を解消
Finance Magnatesの報道(7月13日)によると、NinjaTraderは英国拠点の先物プロップ業者 Alpha Futures との提携を、約3か月の交渉決裂の末に打ち切ったと報じられています。争点は Alpha 側が自社プラットフォーム「AlphaTrader」を立ち上げたことにあったとされます。
利用者への影響は小さくありません。NinjaTraderのAPIに依存していた Alpha の「Premium Plan」は代替手段がなく、同社は対象アカウントをすべて閉鎖し返金対応を行ったと報じられています。また、MyFunded Futures が影響を受けたトレーダー向けに30万ドルの支援を表明するなど、競合各社が救済キャンペーンを展開しましたが、報道ではこれらは実質的に新規顧客獲得のマーケティングだと指摘されています。
一つのプラットフォームに深く依存する業者は、提携解消一つで商品が消えるリスクを抱えています。業者の選び方ガイドでも触れているとおり、複数プラットフォーム対応かどうかは確認項目に入れておくべきです。
cTraderの米国プロップ向け制限が確定
6月の記事では「米国向けcTraderの新規購入は3月末で終了」とお伝えしましたが、7月1日のFinance Magnatesの記事で、開発元Spotwareが「2026年第1四半期の内部規制評価を受け、米国拠点トレーダーのオンボーディングを制限する戦略的決定を下した」と正式に認めたことが報じられました。
各社の対応も出そろいつつあります。
- The5ers は6月に規約を更新し、cTraderを米国外クライアント限定に。
- FundedNext は3月31日以降、米国向けcTrader新規口座を停止し、Match-Traderへ誘導。
- Goat Funded Trader は4月に規約を改定し、米国向けには Match-Trader / TradeLocker / Volumetrica を提示。
2024年のMetaQuotes(MT4/MT5)に続き、cTraderも事実上米国プロップ市場から退いた形です。米国から取引する場合、選択肢は Match-Trader などの新興プラットフォームか先物ネイティブ環境に絞られてきています。
予測市場への参入が広がる
プレディクションマーケット(予測市場)の出来高は、Finance Magnatesの集計で2024年の約90億ドルから2025年には約400億ドルへ拡大したとされます。この流れがプロップ業界にも及んでいます。
- 7月6日の報道によると、プロップ向けインフラ企業 PropAccount.com が、業者が自社ブランドの予測市場チャレンジを提供できる統合機能を発表。調査では、プロップ業者の13%がすでに予測市場を取引し、31%が参入を検討中とされています。
- 7月15日には、スポーツ予測市場に特化した初のプロップ業者を称する OddsON が米国でローンチを発表しました。公式発表によれば、無料のシミュレーション口座(1,000ドル)から始まる2段階評価で、利益分配は75%とされています。
なお、これらの数値や条件は運営会社の発表・単一報道に基づくものです。予測市場チャレンジも従来の評価と同じくシミュレーション形式が基本であり、ファンデッド口座は本物のお金かで整理した確認ポイントがそのまま当てはまります。新カテゴリーは実績データが乏しいぶん、慎重さが必要です。
利用者にとっての意味
今月の3つの話題に共通するのは「業者そのものだけでなく、業者が依存する基盤(プラットフォーム、商品カテゴリー)にもリスクがある」という点です。評価を購入する前に、その業者が複数プラットフォームに対応しているか、自分の地域で使えるか、そして新商品なら支払い実績があるかを確認してください。閉鎖・撤退の履歴は閉鎖トラッカーで随時更新しています。本ページは情報提供であり、投資助言ではありません。