Scaling Plan とは

FTMO Scaling Plan(スケーリング・プラン)は、資金口座で安定した実績を積んだトレーダーの口座サイズを段階的に拡大していく制度です。評価試験をやり直すことなく、最大 $2,000,000 まで運用資金が育ちます。この $2,000,000 は口座1つあたりではなく、自分名義の全 FTMO 口座の合計に対する上限です。

出金の仕組み全体は FTMO の出金ガイド で、業界全体のスケーリング制度の比較は プロップファームのスケーリングプラン徹底解説 で扱っています。本記事は FTMO の制度そのものを深掘りします。

達成条件は4つ

条件内容
運用期間FTMO Trader として4ヶ月以上
累計利益初期資金(スケール後はスケール後資金)の10%以上の純利益
出金実績2回以上の出金(利益分配)を処理済み
残高スケールアップ時点で残高がプラス

4つすべてを満たすと、次の2つが適用されます。

  1. 口座サイズが 25% 拡大(例:$100,000 → $125,000)
  2. 利益分配率が 80% → 90% に引き上げ

以降も4ヶ月ごとに同じ条件を満たせば、そのたびに 25% ずつ拡大し、上限の $2,000,000 まで続きます。

なお、スケールアップは自動適用ではありません。出金手続きの際に Client Area から申請し、承認されると次の取引期間からスケール後の口座が提供されます。公式ページは増額サイクルを「every active 4 months」と表現しており、起算方法(暦の4ヶ月なのか稼働ベースなのか)までは書かれていないため、自分の口座の正確な進捗は Client Area の表示で確認するのが確実です。

条件を数字に落とすと

$100,000 口座を例にすると、4ヶ月で $10,000(+10%)の利益が必要です。月あたり平均 +2.5%。これは「不可能ではないが、リスクを抑えた運用では簡単でもない」水準です。

注意したいのは「出金2回以上」という条件です。利益を口座に貯めたままにしていると、10% を達成していてもスケール対象になりません。Scaling Plan を狙うなら、4ヶ月の間に最低2回は利益分配を請求する運用スケジュールを組んでください。

$2M までの現実的なタイムライン

4ヶ月ごとに 25% ずつの複利で拡大した場合の推移を試算します。

経過$100K スタート$200K スタート
開始時$100,000$200,000
1年(3回)約 $195,000約 $390,000
2年(6回)約 $381,000約 $763,000
3年(9回)約 $745,000約 $1,490,000
3年8ヶ月(11回)約 $1,164,000$2,000,000 到達(上限)
4年8ヶ月(14回)$2,000,000 到達(上限)

上限に届くまでの回数は、$200K スタートで11回・約3年8ヶ月、$100K スタートで14回・約4年8ヶ月です。これは「毎回の判定で条件をすべて満たし続けた場合」の最速ペース、つまり44〜56ヶ月にわたって月平均2.5%を出し続け、その間に一度も失格しない前提の数字です。1回でも条件を落とせばその分後ろにずれます。この理想ケースを完走できるトレーダーはごく一部だと考えてください。

逆に言えば、分配率 90% への引き上げは最初の4ヶ月で達成可能です。多くのトレーダーにとって、Scaling Plan の実利は「$2M の夢」よりも、最初の1〜2回の増額と「90% 分配への現実的な近道」にあります。

出金と複利のトレードオフ

「利益を口座に残して複利で増やすべきか、出金すべきか」という論点は、プロップ口座では自己資金の運用と構造が違います。

  • 口座サイズの拡大は Scaling Plan の 25% 増額で決まるため、利益を口座に残しても増額幅は変わりません
  • 条件に「2回以上の出金」がある以上、出金しないとそもそも対象になりません
  • 利益要件は累計純利益で判定され、残高要件は「プラスであること」のみです

つまり、出金して利益を現金で確定させることと Scaling Plan の進捗は、原則として両立します。制度上、出金をためらう理由はほぼありません。

利益を口座に残す(2-Step ではロールオーバーも選べます)ことに意味があるとすれば、最大損失ラインまでのバッファが厚くなる点だけです。残高が初期資金ぎりぎりだと、ドローダウン一発で失格が近づきます。現実的な折衷案は、数%をバッファとして残し、残りは出金して確定する運用です。プロップ口座は失格すれば残高もろとも消えるため、複利志向よりも出金優先が基本と考えるのが安全です。

なお、Premium Programme(上位者向けプログラム)と Scaling Plan は独立した制度で、公式 FAQ によると両方に同時参加できます。

よくある誤解

誤解1:「合格すれば自動で増えていく」

増えません。4ヶ月ごとに、利益10%・出金2回・残高プラスの条件を毎回満たす必要があります。プラスマイナスゼロ付近で耐えているだけの口座は、失格にはならなくてもスケールもしません。

誤解2:「スケールアップで評価をやり直す」

やり直しはありません。マイルストーン達成型で、拡大後もそのまま同じ口座番号系統で取引を続けられます。

誤解3:「1-Step でも 2-Step と同じ扱いになる」

公式ページの Scaling Plan には「2-Step only」と付記されています。分配率の引き上げが 2-Step 限定であることは明確です。1-Step は最初から 90% 分配なので、そもそも引き上げる余地がありません。

一方で、25% の残高増額そのものが 1-Step 口座に適用されるかどうかは、公式ページ上でははっきり書かれていません。1-Step の商品ページには「最大 $2,000,000 まで口座を拡大」という案内があるものの、適用条件の説明はありません。1-Step で長期の拡大を狙うなら、購入前に公式サポートへ確認することをおすすめします。条件が明文化されているのは 2-Step 側なので、長期で口座を育てる前提なら 2-Step 経由が確実です。方式の違いは FTMO の口座タイプ にまとめています。

誤解4:「損失制限は元の口座サイズのまま」

スケール後は、1日最大損失 5%・最大損失 10% も新しい口座サイズ基準で再計算されます。口座が大きくなるほど1回のミスの金額も大きくなるため、拡大のたびにロット設計を見直す必要があります。

The5%ers の倍増モデルとの比較

スケーリング制度でよく比較されるのが The5%ers です。

項目FTMO Scaling PlanThe5%ers
拡大の単位+25%口座サイズの段階に応じて拡大
拡大の条件4ヶ月+利益10%+出金2回利益条件の達成(明確な期間条件はなし)
上限$2,000,000公式内で数字が一致していません(下記)
分配率の変化80% → 90%High Stakes は 80% → 100%、Hyper Growth は 75% → 100%
出金時の控除なし(0%)一律 3.5%(Hub Credits で受け取る場合のみ 0%)

The5%ers の上限額については、同社サイト内で数字が食い違っています。トップページには最大 $4,000,000 と書かれている一方、High Stakes の商品ページには $500,000 までのスケーリングと記載されています。どちらが現在の運用なのかは公式サイト上で確認できないため、当サイトでは片方を選んで断定しません。長期の拡大を前提に選ぶなら、申し込み前にサポートへ照会してください。

比較で見落としやすいのが、出金時の控除です。The5%ers は出金額から一律 3.5%を差し引きます(Rise・暗号資産・銀行送金いずれも同じで、銀行送金は受取銀行の手数料も別途かかります)。FTMO 側の控除は 0%です。分配率だけを並べると The5%ers が有利に見えますが、手取りで比べる場合はこの 3.5%を引いて計算してください。

また The5%ers は、スケールアップのたびに出金サイクルのタイマーがリセットされる設計です。拡大を狙うほど、次に出金できるまでの待ち時間が伸びます。

拡大幅そのものは The5%ers のほうが大きく、利益条件を早く達成できる実力があれば成長は速い設計です。一方 FTMO は、4ヶ月という時間条件がある分だけ拡大はゆっくりですが、条件が明文化されていること、控除がないこと、上限額の記載が一貫していることが利点です。

「速く大きく」なら The5%ers、「条件が読みやすいファームで着実に」なら FTMO という整理です。The5%ers の制度詳細は The5%ers スケーリング解説 を参照してください。

Scaling Plan を狙う運用の型

  1. 月 +2〜3% を無理なく出せるリスク設計にする(1トレード 0.5〜1% リスク)
  2. 4ヶ月の中間(2ヶ月目)と終盤に1回ずつ出金し、出金2回の条件を消化する
  3. 判定月の終盤に大きなロットで「10% に届かせにいく」のは、1日最大損失 5% 違反の典型パターンなので避ける
  4. 達成できなかった場合も口座は失われないので、次の4ヶ月で仕切り直す

条件の未達成と口座の失効はまったく別の話です。条件を落としても口座は残り、条件を満たした後の出金時に申請すればスケールアップできます。一方、最大損失 10%・1日最大損失 5% などの違反で口座が失効すると、その口座のスケーリングもそこで終わります。Scaling Plan の実質的な難所は 10% の達成ではなく、4ヶ月サイクルを何度も失格せずに生き延びることです。ルールの詳細は FTMO のルール解説 を参照してください。

結論

FTMO Scaling Plan は、4ヶ月+10%+出金2回という明確な条件で、口座 +25% と分配率 90% が得られる制度です。$2M という上限は数年単位の長期目標ですが、90% 分配への引き上げは最初の判定から現実的に狙えます。派手さより持続性を評価する制度と言えます。仕様は変更されることがあるため、最新の条件は公式サイトで確認してください。

おすすめのプロップファーム

業界の主力2社を、用途別に紹介します。

The5%ers — 少額から段階的に伸ばしたい派に

運営10年(2016年〜)の老舗です。1段階の Hyper Growth、2段階の High Stakes、3段階の Bootcamp が並行して提供され、試験料は $19 から選べます。利益分配は最大100%まで段階的に上がりますが、出金額から一律 3.5%が差し引かれる点は先に確認してください。当サイトの信頼度は2026年8月1日の再評価で「高」から「低」(★4.6→3.3)に変わりました。同社が2026年3月に支払いの遅延を自ら認めたためです。利用する場合は少額にとどめ、早めに着金を確認してください。

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